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本は読み切らなくていいし、書いてあることは無視してもいい

雑記
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本を読むことは、一般的には良いこととされています。

ですが、日本人の多くは本を読まないそうです。なぜでしょうか。

読書初心者だった僕が、昨年1年間で100冊以上の本を読んでみて感じたことを紹介します。

読書に関する誤解

読み切らないといけない

読書に関するハードルの1つは「読み終わる」ことです。

日本人は真面目で、「作った人に申し訳ない」といった言葉も存在しますね。国によってはそんな概念もなさそうな、やさしくて真っ直ぐな言葉です。

でも、そのせいで自分の行動を制限してしまっている節もあります。

たとえば、本をレストランのメニューだと思ってみましょう。

レストランについて語るためには、その店のメニューを全制覇しないといけないでしょうか?

別に、名物のハンバーグだけ食べて、「あの店のハンバーグはめっちゃうまい」とSNSに書いても、別にいいですよね。

シェフは、ほんとうは名物ハンバーグだけ出したいけれど、いろんなお客さんの要望に応えたり、メニューに豪華な感じを出したり、そういった理由で、ハンバーグ以外も売っているのかもしれません。

本も、実は同じです。

本は、最後まで読まなくていいし、最初から読まなくていいんです。

著者の言いたいことは、極端に言ってしまえば、1冊の本につき、だいたい1〜2こくらいです。

その1個さえ押さえてしまえば、名物ハンバーグを食べたも同じ。他のメニューは、またこんどでもいいし、次回またハンバーグをたべて、他のメニューはたべたことがないままで過ごしてもOKです。

本には何かしらの正解が書いてある

もうひとつ読書の誤解は、正解が書いてあると思われることです。

世界的な名著、『人を動かす』とか『7つの習慣』、『嫌われる勇気』など、とっても迫力があるすごい本はたくさん出ています。ロングセラーでミリオンセラーの本に書いてあることは、いかにも「正解」っぽいです。

でも、実際はそんなことありません。

わかりやすく極論をぶつけると、たとえば扮装地帯で銃を向けられている人にとって、「7つの習慣のうち、2つ目の習慣」が役にたつでしょうか。

今日のご飯に困っているひとにとって、『嫌われる勇気』は救いでしょうか。

これらの例を、極論から抽象論に引き戻すと、つまり「その本が正解かどうかは、その人の状況による」わけです。

どんなにすぐれたビジネス書も、顔を合わせるなり文句を無数に言ってくる話を聞かないパワハラ上司がいる職場では無力でしょう。

逆に、とても優れた上司がディレクション・メンタリングしてくれているのに、「こっちの本が正解だ!」といって上司の話を聞かなくなる部下というのは、困った人になってしまうかもしれません。

つまり、本に書いてあることが「読者にとって常に正解」だということはありません。

これは教科書までしか読んでいない人の勘違いでもあるかもしれません。
教科書に書いてあることは、少なくともその時点では国も認めている「正解」なわけですから。

読書への向き合い方

では、読書に向き合う中で、どのように考えると良いのでしょうか。

答えは、上記の勘違いをひっくり返せば良いのです。

つまみ読みをする

本を、全部読まないということです。

もちろん、小説などストーリのあるものは全部読んだほうが面白いでしょう。中には最後の1行が本当に神がかっている作品もあります。

一方で、一般的なビジネス書などでは、著者がほんとうに言いたいことはせいぜい1個とか2個とかです。(一部例外…例えば鈴木裕先生の本なんかは、マジで中身がギチギチに詰まっているものもありますが)

なので、つまみ読みをしましょう。その時に気を付けることが次章のことです。

自分にとっての調味料を見つける

本の中身は、「正解」ではないといいました。

しかし、「ぼくにとっては正解だったから、教えてあげるよ」というのが、著者のスタンスです。

つまり、あなたよりも先に、そのことについて長時間、お金と時間を使って調べたり考えた人が、結果や考察を教えてくれているだけなのです。

そのうえで、まずは本を開いたら目次とかをみます。

目次に気になるところがあったら、ぱらっと見てみましょう。

あ、むずかしいな、と感じたら、その本はあなたのための本ではないかもしれません。

でも、そこは僕に判断を仰がないで、自分で決めましょう。読むか読まないか決めるのも、読書の大事なプロセスです。「難しそうだけど、気になるから読みたい」というモチベーションは、知識のいざないのサインです。

本に書かれているのは正解ではありません。料理のメイン食材ではなく、「いまのあなた」に振りかける調味料でしかありません。あなた自身を置き換えるような情報は、本にはありません。

今まであなたが「とりにく」という食材だったのに、本を読んで「ぎゅうにく」になることはありません。せいぜい、塩やスパイス、時には砂糖や酢がプラスされるくらいです。

そして、どのスパイスをかけるかは自分で選べます。渡されたスパイスを全部振りかける料理人は、料理人として失格でしょう。

自分にとって、気になるスパイスをひとつまみ、本から取り出せれば御の字です。

飲み屋のオッサンの話だと思って読む

本にあるのは「絶対的な正解」ではありません。しかし、著者にとっては少なくとも「正解だから教えてあげよう」と思えるほどの情報です。

これと同じ理屈で情報をくれる人がいます。飲み屋のオッサンです。

飲み屋のオッサンは、人生に成功しているかどうかはさておき、飲んでいろいろ話してくれます。機嫌良く話しているオッサンは、自分にとってこういうことが正解だった、いまのだれだれは間違っている、と、くだを巻きます。

あなたは、その話をどれくらい真剣に聞くでしょうか。

本も、だいたいそれと同じです。

内容によって、ぜんぶ聞くかどうか選んでもよいし、ほとんど聞き流しておいて「あ、いまちょっと良いこと言ったな、オッサン」という一言だけ、心に留めて持ち帰ってもよいのです。

だからもっと気楽に読もう

本を読むことは、ときに人生を変えます。

たくさん本を読むと、
「どいつもこいつも好き勝手言ってんな〜。でもたまに、すごい良いこと言ってるな。すごい人だな」
とか思えてきます。「著者をリスペクトすること」と「内容を鵜呑みにすること」を混同しなくなります。

その延長線で、「偉い人が言っていることは本当だろうか」とか、「一見さわやかなセールスマンがモノを売りにきているけど、信じていいのかな」と、適切に疑うちからがつきます。

こうして、本を読むことは自分を守ります。そして、ときに道をひらきます。

だから、みんなには本をもっと読んでみてほしいと思います。

Kindle Unlimitedには、正直「言いたいことがマジで1個しかない」という本もあれば、その1個が本当にしょーーーーもない本もゴロゴロあります。濫読にはオススメです。

でも、できれば自分で買って読むのがいいと思います。
だいたい2000円で、「良い大人が、その生活をかけて、何百時間もかんがえたこと」を聞けるのです。飲み屋のオッサンよりめんどくさくない距離感で。

ぜひ、もっと本を読んでみましょう。

僕は最近、バリューブックスという本屋さんでオンライン注文して、紙の本を買うのにハマっています。
イメージ的には、単に「利益だけを追求」するゴリゴリのECサイトではなく、本を愛し、矜持を持ってやっているお店です。サイトにある読み物「EndPaper」も良い味だしています。
ぜひ覗いてみてください。

ちなみに、すべての文章とおなじように、この記事もべつに正解ではありません。

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