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#2【どうにか要約】無-MU 最高の状態

メンタル・自己啓発
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100冊チャレンジ2023、2冊目。またもやメンタル系の書籍です。たまたまです。

鈴木祐さんの「無-最高の状態」を紹介します。

ひとことまとめ

この本をひとことで言うと、

「過去にくよくよして未来に不安を感じ、勝手に精神を病むのが人間である」ということを踏まえ、人が心を病むメカニズムと対策について、過去の偉人や学者・宗教家の言葉や数々の研究を引用して、実践的に対策を教えてくれる本です。

二行要約

  1. 過去や未来のことで思い悩み精神を病むのは人間だけ
  2. 人間は「思い悩むこと=物語の発生」を止めることはできない

解説・概要

人間はその歴史の中で、ネガティブにものごとを考えるように進化してきました。

人類が狩猟採集を中心に生活していたころ、生存のために周囲の環境にひそむ危険(疫病、猛獣、暴力、天災など)から身を守るためには、臆病である必要がありました。臆病で、しっかりと身を守ることが出来た個体が子孫を残して来れたわけなので、「臆病=最適」だったといえます。

さらに人間の集団が大きくなり社会が形成されていくにつれ、「他者は自分を裏切らないか」「自分は何を期待されているか」を察知する能力が長けているものが「最適」な個体として子孫を残していくことになります。

このように、「外的な危険」に怯え、「他者からの評価」に怯えるシステムが、人間には備わってきたわけです。

「怯えたり思い悩む」といった脳の活動を、本書では「自己」による「物語」の発生と表現しています。

厳選ポイント3選

動物が幸せな理由は二の矢が刺さらないから

解説

動物にも悲しみの反応はある

人間以外の動物は、辛いことがあっても精神を病んだりすることはありません。
しかし彼らに全く感情がないかというとそうではなく、ゾウやクジラなど多くの動物が、仲間が死んだら悲しむような反応を見せることが知られています。

それでも野生の動物が精神的には健康を保てているのは、過去や未来のことをくよくよ考えないからです。本書では半身不随になったチンパンジーの事例が紹介されていますが、痛みや空腹そのものの辛さは見せたものの、精神的には至って元気で、落ち込む様子は無かったと言います。

人間は過去や未来に思いを馳せて勝手に苦しむ

人間の場合、重い病気で動けなくなったりすると

  • 「なぜ自分がこんな目に」
  • 「あの時あんなに無理をしなければ」
  • 「不摂生だったばかりに」
  • 「もっと運動しておけばよかった」
  • 「これからどうやって生きていこうか。周囲に迷惑をかけてしまう」

と、いまの病状とは直接関係のない、今更どうしようもないことに頭を悩ませてしまいます。仏陀はこの悩みを「二の矢」と呼びました。
この場合、病気になることは誰しも起こりうることで、「一の矢」と呼ばれます。
あとからくよくよ考えてしまうこと、これを「二の矢」「三の矢」というふうに表現します。

「降伏」の考え方

解説

痛みに抵抗せず「降伏」すること

「二の矢」が刺さらないようにするために大切なのが、「降伏する」ということです。
一の矢に相当する痛みを受けた際に、その痛みから逃れようともがいたり、痛みを消そうとあの手この手を巡らせることをしてはいけないということです。

たとえば、上司に怒られたときに嫌な気持ちになったとします。
上司から怒られて、その時嫌な気持ちになるところまでは「一の矢」です。
しかし、その後に「上司にも悪いところはあったんじゃないか」「自分が無能なせいだ」などと、あれこれ理由をつけて気持ちを落ち着けようとすることってありますよね。
これは、痛みへの「抵抗」と呼ばれ、この「抵抗」をすればするほど「痛み」は増幅することがわかっています。

「降伏」することとは、上司に怒られて嫌な気持ちになったときに「嫌な気持ちになったな」ということを受け入れて、原因探しも痛み消しにも走らず、痛みが過ぎ去るのを待つイメージです。

降伏のメソッドに使える「メタファー」の考え方

痛みに降伏するにあたって、実際のセラピーでも使われているのが「メタファー」つまりたとえ話を使った方法です。

例えば以下のようなものです。

あなたは庭を綺麗に掃除しましたが、時間が経てばまた落ち葉や泥で汚れます。「この前掃除したばかりなのに」「きれいなままだったら良いのに」などと考えても庭は綺麗になりません。あなたの精神も同じようなもので、悪いものを批判しても綺麗にはならないのです。汚れたらまた掃除をするしかありません。

あなたは地図を作っています。地図を作る人は町並みを精緻に観察しますが、建物や道の形についていちいち批判を挟みません
あなたが痛みに出会ったとき、あなたの精神の地図を作るように、淡々と「ある」ものを見るのです。そこにあるものは批判したところで変わらず「ある」ので、文句を言っても仕方ありません。

停止と観察

解説

降伏の考え方を学び、痛みを悪化させない手法を取り入れることができたら、そもそも痛みが発生しにくくなるトレーニングも紹介されています。それが「停止」と「観察」です。

「停止」のメソッド

停止とは、文字通り「脳の活動を止めて物語の生成を止めてしまおう」というものです。

具体的な方法としては、

  • 別の考え事で頭を満たす」
  • 音楽によって思考を停止させる」
  • 詠唱によって思考を止める」

といった方法を始めとして様々な方法があります。

日本で言う「念仏」や「祝詞」も詠唱の一種で、
世界各国の宗教儀式にも詠唱が取り入れられています。

単純な言葉の反復でも脳の活動は鈍化する

海外の研究ではひたすら「ONE」と言い続けるだけでも一定の効果があったと報告されています。
難しい詠唱ではなくても「脳が勝手に要らないことを考えて悩む」ことを止めることができるわけです。

「観察」のメソッド

観察とは、文字通り「頭に浮かんだ物語をそのまま見る」ことです。
本書で紹介されているトレーニングは以下のようなものです。

リンゴ 誕生日 海岸 自転車 バラ 猫

これらの単語をみて、自身の心の中にどのような変化が起きるか、じっと見つめてみます。

リンゴや猫がそのままイメージされたり、誕生日の楽しい思い出が蘇ったり、自転車で転んだ痛みを思い出す人もいるかもしれません。
それらのイメージをじっと観察します。何度か読み返してみてもかまいません。
何も思い浮かばないこともあるようですが、それでもOKです。「なにも思い浮かばないな」ということを観察すれば良いのです。

ちなみにわたしは、
猫のいる家にリンゴが置いてあって、誕生日パーティが行われる。
その家に向かって、バラを持った人が自転車で走っている。
という全部のせ欲張りセットなイメージが浮かびました。こんな感じでOKです。

総括:行動すること1つ

今度嫌なことがあったら、「降伏」してみる

痛みを感じることがあったら、痛みを正当化したり抑えようとしたりせず、ただ受け入れて「降伏」してみる。
わたしは「地図のメタファー」がしっくりきたので、自分の精神の地図をつくるイメージで正確に観察することを意識してみる。

ということをやってみます。

あと語り

難しい本だった

本書はかなり難解な本でした。
具体的には、この記事を書くために1日に2回読み直したりしましたが、やっぱり難しいです。

その原因は、たぶん以下の2点。

  1. 著者の言いたいことをきちんと伝えるために必要な予備知識的な情報がかなり多くて、それらの説明にかなりのボリュームを割いている
  2. 補足説明の量が多いので、読者は本筋を見失いそうになる

本書を読むときには、「今は何の話をしているんだろう」「何の話をするために、今この話に飛んだんだろう」といったことを考えながら読むと良いです。

実体験と紐付けて理解できた部分もある

嫌なことがあったとき、ついつい自分を正当化したくなったりして、
アレコレ考えてしまうことってありますよね。

上司に叱られたとき、
叱られたのは自分のせいではない、情報を事前に渡さなかった上司のせいだ、とか時間が十分に与えられなかったせいだ、とか誰々が無駄に騒いでプレッシャーを与えてきたせいだ、
とか、諸々

たとえ表面上では納得のいく言い訳が見つかって、「そうだ、悪いのは向こうじゃないか」と自分に言い聞かせたところで、全く気分は晴れていない。みたいな。

本書ではその無駄なあがきを「抵抗」という言葉で表現し、「抵抗すればするほど苦しみは増える」と言い切ってくれているところで、なるほど腑に落ちた感覚がありました。

時間を置いて何度か読み返すとまた違った発見のある本だと思うので、2ヶ月後くらいにまた読んでみたいですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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