PR

#23 【要約】ずっとやりたかったことを、やりなさい。

メンタル・自己啓発
記事内に広告が含まれています。
『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』
YouTubeなどのSNSで頻繁に見かけるタイトルです。

僕はずっと、
この本は自分向きではない、読まなくて良い。
と思っていました。

「ずっとやりたかったこと」など無い、と思っていたからです。

とはいえ、やはりロングセラーの有名な本。食わず嫌いも良くないだろうと、
とりあえず読んでみることにしました。
どうせならと、日本語版で入手できる3作を全部読んでみることにします。

  1. ずっとやりたかったことを、やりなさい。
  2. ずっとやりたかったことを、やりなさい。(2)
  3. いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい

新しい本に進むにつれて若干の変化はあれども、基本となる考え方は同じだと感じました。

すなわち、

  1. モーニングページで自分の中の声に気付こう。
  2. 自分の中のアーティストに十分な空気と栄養、空間と安らぎを与えて育てよう。
  3. そのためには、辛いこともあるけれど、頑張って取り組もう。

という内容は軸として変わりません。

シリーズを重ねるごとに、筆者自身もアップデートされているので、そのアップデートを反映した内容になっています。

たとえば、『いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。』は、割とシニア向けというか、「今から何かを始めるのは遅い」と感じる人や、退職後の生きがいを失った人の指針になるような内容になっています。
現役世代は、まずは最初の2冊を読んでみるのがオススメです。

とにかくモーニングページ

本書では、「モーニングページ」を軸に自分の中の「やりたいこと」を見つけ出し、それを実践に移すためのメソッドを紹介しています。

もともとは筆者自身が個別にセミナーで提供していたノウハウで、多くの人が参加して実行し、成果を上げている方法だといいます。

モーニングページとは

そもそもモーニングページというのは、毎朝起きてすぐに、思ったことをノートにどんどん書いていくというワークを指します。

A4ノートであれば3ページくらい書くと良いとしていますが、必須のノルマではなく、2ページの日があっても5ページの日があってもよく、文字の大きさや文字数の指定もありません。
思ったことを自由に、あまり考えすぎす、とにかくノートに書き出すことが大切です。

それが何になるのか?と思うかもしれませんが、実際にやってみるとわかります。
僕も実際にやってみて、本書でなんども強調されているように、効果があると感じました。

モーニングページを書く時のルールは、「家族や恋人、配偶者を含めて、他人にノートを絶対に見せないこと」「タイピングではなく手書きで行うこと」です。
人に見せることを意識した途端に、人に見せるための「取り繕った」内容になってしまうので、絶対に人に見せないことを大切にしましょう。

時間帯は朝一番にやるのが良いそうですが、朝のコーヒーを飲む前に書くかどうかは、個人の好みでよいとしています。

スピリチュアルな書き方に怯まないで進もう

本書内では、モーニングページによって得られる一種の導きのようなものや、突如降りてくる「やるべきこと」などについて、とてもスピリチュアルな書き方をしています。 宇宙からのエネルギーが降ってくる的なことも言っていて、人によっては拒絶反応が出るかもしれません。

しかし極端な話、この表現はあくまで筆者の主観によるもので、スピリチュアルなものを信じていなくても行動に移すことを推奨しています。
例えはなんでもよく、「宇宙からのインスピレーション」でもいいし、作曲家がよく言うように「曲が降ってくる」といったイメージに照らしても大丈夫です。
小泉環境大臣のように、朧げに46という数字が浮かんできても良いです。

とにかく、どんなイメージを伴うにしろ「自分の外から、何かしらのアイデアが一種の確信を持ってやってくる体験」がモーニングページを通して得られることを実感してほしいと、筆者は本書内で繰り返し説いています。

実際に懐疑的だった筆者の周囲の人達が、実際にモーニングページを初めて多くの気づきを得る過程が紹介されています。

誰にも見せないという鉄則

モーニングページに使うノートは、「絶対に誰にも、中身を見せてはならない。」と、筆者は繰り返し強調します。
誰かに見せることを意識した瞬間、それは「誰かに見せるためのノート」になってしまうからです。

また「自分の中の完璧主義者」にも、批判をさせないようにするのがポイントです。
誤字脱字も気にしなくていいし、わからない漢字は平仮名で大丈夫。自分しか見ないですから。
同じ漢字を3回間違えて、ぐしゃぐしゃと書き直したってOKです。
自分の中の完璧主義者を黙らせるための方法として、「速く書く」という方法が挙げられます。とにかく思うことを高速で書き出すことで、自分のなかの批判的な自意識が立ち上がる前に走り抜けましょう。

自分で見返したときに批判的な目線になってしまうこともあるので、
筆者も、最初の半年は「自分でも見返さない」ことを勧めています。

誰にも見られないノートだから、もちろん、愚痴や悪口を書くこともできます。
恋人に対する不満、〇〇してくれたらよかったのに。
そういった考えが頭を支配しているとしたら、それをノートに書きつけましょう。

すると、その文字を自分で見ることになります。
すぐに自分の脳裏には、「でも、自分もあの時こう言えばよかったのでは?」と、ごく小さな別の声が聞こえてきます。
聞こえてこないこともあるでしょう。どちらでも大丈夫です。

モーニングページでは、その小さな声を拾い上げていきます。
自分の立場と意地のために封殺し、黙らせていた、無意識の良心のようなものの声を聞きましょう。

そうするうちに、恋人に対する不満を綴っただけだったノートは、未来に向けて開き始めていきます。

自分もこう言えばよかった、
→でも相手のこういうところは気になる。
→でも言わないと伝わらない。
→じゃあ今度話をしてみよう。
→いつがいいかな。早い方が良いよね。
→今日連絡して、今週末の都合を聞いてみよう。
最初に思ってもいなかった結論が出た。

誰しも、「自分は悪くない、相手だけが100%悪い」と口では言っていても、内心ではどこか「自分もこうすればよかった」とか「相手を責めても仕方ない」と思っている部分があると思います。
例えば「仕事でミスした。きちんと確認しなかった上司が悪い」と思っている。
というシチュエーションに置き換えても、同じことが言えるでしょう。

他にも「今月も全然お金がない。給料が安すぎる。会社が悪い」という愚痴でさえ、
「でもその会社に入社することを決めたのは自分だよな」
「なんで入社したんだっけ」
「そうだ、〇〇がやりたかったんだ」
のように、ただの愚痴が前向きに転がり始めることがあります。
その結果が「よし、今の会社じゃダメだ、転職しよう」となるとしても、心から納得して転職活動を開始できるようになります。
しかも、書かなかった時より遥かに速く。

要するに本書の提案は、「答えはすでにあなたの中にある。あとはそれを見つけるだけ」というメッセージです。
今思いつかないことも、あなたの中に答えがあるのです。

朝、ノートに書き出した文字を見つめた自分。
その時脳裏によぎったアイデアに、答えが隠れている可能性があります。

見つけたウォーリーを見失うのは難しい

モーニングページが、なぜ「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」に繋がるのか。
それは、モーニングページを毎日書いていると「自分はもしかして〇〇に興味があるかもしれない」といった閃きが突然やってくるからです。

しかも、それは見つけてみると当然のように、ずっとそこにあった願望であることに気がつきます。

「ウォーリーを探せ」で、一度見つけてしまったウォーリーは、次回またすぐに見つけることができます。
彼は最初からそこにいたし、今もそこにいます。
起こった変化は、単にあなたがそれを見つけたかどうか。それだけです。

ウォーリーのように、あなたの願望はあなたに見つけてもらうのを待っています。
騙されたと思って、モーニングページを続けてみてください。
思っているより早く、効果は実感できると思います。

ちなみに使うノートはなんでも良いのですが、僕のおすすめはアピカのCDノート
個人的には文字の大きさが一定になりやすい方眼が気に入っています
無地のノートが好きな方も多いようです。

これは僕の考えですが、ちょっと高級なノートを使う方が毎朝開くことを習慣にしやすいし自分の頭から出てくる様々な考えや気持ちを大切にしているように感じられるのでオススメです。

あなたは今日から〇〇になれる

モーニングページを続けながら本書を読み進めていくと、あるとき衝撃的な感覚を覚えるかもしれません。

それは、「今日から自分は〇〇になれる」という感覚。

あなたは今日からピアニストになってもいいし、画家・イラストレーターになってもいいし、ドラマーになってもいいしダンサーになってもいい。
ゲーム配信者になってもいいしYouTuberになってもいい。今日からカメラマンになってもいいし、脚本家になってもいいし、小説家になってもいい。

あなたが今日までピアニストではなかったとしても、
それは今日からピアニストになってはいけない理由にはなりません。

自分は当然ピアニストではない、という思い込みを取り除く

僕は会社員であって、今のところダンサーやピアニストではないのですが、もしモーニングページを通して自分の中にそのような欲求があることを見つけたら、いつでもそれらになることができます。

これまで無意識に「世界中の誰もがご存知の通り、自分はピアニストではない」という前提としての感覚があって、新しいアイデアを無意識に却下する感覚がありました。
その前提が取り除かれる瞬間、自分の人生のコントローラーを握り直したような感覚を覚えます。

この理屈はいささか直観に反するものの、筋は通っています。
今のあなたがサラリーマンであろうと主婦であろうと、ダンサーになってはいけない理由はないカメラマンになってはいけない理由はない。ということです。
あるとすれば、それはあなたの中の「私はカメラマンではない」「私はダンサーではない」という思い込み、決めつけでしかありません。今からあなたは、何にでもなれるのです。

小学生の時
「近所の友達が持っているテレビゲームを、自分は持っていない」という状況がしばらく続く。いつしか、「自分はそのゲームを持っていない人間だ」という自意識をもつ。

そして、親に同じゲームを買ってもらえた時、「自分も家で好きな時にそのゲームをプレイできるのだ」と実感し、ワクワクする。
自分も「そっち側」になれるんだ。という漠然としたワクワク感。

今からでも何者になっても良い、という実感は、
無意識に多くの可能性を無視している現代人にとって、衝撃的な快感であると言えます。

人間は失敗を望む生き物

さて、モーニングページの威力についてはYouTubeなどでも多くの人が語っているので、それについてはここまでとして、本書の活用方法に触れていきましょう。

本書を読むメリットは実はもう一つあって、
それは「数多くの先人たちの失敗を短期間でまとめて追体験し、あらかじめ対策を持つことができる」ことです。

つまり本書には、成功する方法だけでなく、失敗する方法も多数紹介されているのです。

成功をブロックする無意識

人間は成功したいという願望と、成功したくないという願望を同時に持っています。

そんなことある?と思いますよね。普通は成功したいと思っているのではないでしょうか。

では、例えば以下のようなシーンを想像してください。

「あなたは明日から、あなたの会社の社長です。誰も文句を言わない代わりに、誰も助け舟を出しません。あなたに上からの指示は来ません。自分で考えて、自分で会社を運営してください」

さて、どうでしょうか。
両手を挙げて「やった!好きに会社を運営できる!」とは、なかなか思えないのではないでしょうか。

ここでなぜ素直に喜べないのかというと、「自分には無理だ」「従業者の雇用を預かるなんて恐れ多い」「責任重大だ」といった、自分に自信のない部分が頭をもたげてくるからです。

例え話はここまで。

本書の中でいうところの「ずっとやりたかったこと」という内容は、主に創作活動を指しますが、創作活動で成功するということはすなわち、作品が多くの人の目に触れるということでもあり、不特定多数の人間の評価に晒されることでもあります。

そんな時に「目立ってしまう、まだ人に見せられないと思う、成功したくない、現状維持をしたい」という気持ちが頭をもたげてくるのは想像に難くないでしょう。

つまり、現状維持は精神的にラク ということです。

そうして、無意識のうちに人は成功を遠ざけてしまうのです。

周囲の環境に「邪魔をさせる」よう仕向ける心理

成功を遠ざける方法として、以下のようなものが紹介されています。

例えば「邪魔をしてくる人との付き合いをやめない」「残業が多いのに仕事を減らさない」といった方法です。

創作行為から離れる口実として、周囲の障害を敢えて放置して「自分のじゃまをさせるように仕向けている」のです。

うまく行きそうになると、決まっていつも邪魔が入り、失敗してしまう人がいます。

それは、その人自身が障害の多い環境に身を置くことで「うっかり成功してしまう」ことがないようにしているからであると、本書では指摘します。

この辺の考え方は、アドラー心理学の「目的論」に通ずるものがありますね。

自分で失敗へ向かわないようにする対処法

本書では、「人間には失敗を呼び寄せる心理があること」を知り、向き合うことを勧めています。

そして、その方法の起点になるのはやはり「モーニングページ」です。
具体的には、「自分の中の成功を避ける心理」に気づき、成功の障害となる友人や仕事、家庭環境を放置していることについて、モーニングページを通じて自分と語り合うのです。

無意識に成功を避けているのはなぜか?
本当に自分がやりたいことは「成功すること」なのか?そうではないだろう。
自分は「創造」をしたいのであって、成功はその副産物に過ぎない。
だから、成功するとか失敗するとかは置いておき、自分の創造性と向き合って、創作することに向き合おう。

こうしてモーニングページの導きを得て、「いつも飲み会に誘ってきてスケジュールを破壊する友人からは距離を置く」「仕事で残業をせずに済むように引き受けるタスクを減らす」といった具体的な対策によって、自分の道から障害物を取り除いていくのです。

あなたの残業が多いのは、もしかすると「残業が多くて自分の時間が取れない」ことを言い訳にして、創造的でない自分に理由をつけようとしているのかも知れません。

それが真実かどうか、私は知りませんよ。あなたが知っているんです。阿良々木先輩。

あと語り

本書をYouTubeで検索すると「モーニングページを〇〇日続けてみた結果」みたいな動画がたくさんヒットしますね。そんな動画を出したくなる気持ちが、やってみるとわかります。

実際にモーニングページをやってみると、日によって差はあるものの、自分の内面の声を炙り出し、本当にやりたいことを見つける手伝いをしてくれると感じます。
不思議です。
宇宙からのなんちゃら、と言いたくなるのもわかります。
本当に自分の外からアイデアが寄せられる感覚があるのです。

そして、モーニングページを通して自分の中の声に耳を傾け、自分のやりたいことを進める中で、
多くの人が直面する問題について、多数の生徒に教えてきた筆者の経験が光るアドバイスが無数に収録されています。たぶん、やってみるまではわからないと思います。

実際にやってみて挫折しそうになったり、「こんなもの無意味ではないか」と思い始めた頃合いで、ぜひもう一度読んでみてください。きっと、その時のあなたに必要な答えがもう書かれているでしょう。
あらゆる言葉、あらゆる前例を用いて、ガンガン背中をどつき回されること請け合いです。

アーティスト・デートもいいぞ

今回は触れなかったものの、本書にはアーティスト・デートという「自分とのデートによって創造性を取り戻す」アクションも紹介されています。

これも実はモーニングページと双璧を成す創造性拡大レッスンの一つになっています。

仕事ばかりしている現代人は「しっかり遊ぶ」ことが下手で、アーティスト・デートについても取り組みを拒否する人が多いと筆者はいいます。
そしてそんな人に対して筆者のコメントは、「直感的に拒否したくなるワークこそ、本当にあなたに必要なワークである」

ぜひ、抵抗を感じるワークにも取り組んでみましょう。

ちなみに本書では、一人でワクワクするお出かけをすることをアーティスト・デートと呼んでいるのですが、
このようにイベントに名前を付けること自体が、その時間の幸福度を上げるという研究成果もあるそうです。これは前回紹介した「人生が充実する時間のつかい方」にて紹介されていた内容です。

実際に「アーティスト・デートに行くぞ」と思って出かけてみると、思っていたより楽しいのでオススメ。

今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました